塩の違いを知っている方って少ないのではないでしょうか。
500g100円台で購入できるものから1000円以上するものと様々です。
正直塩なんてどれも同じ、そんなに差はないだろうと思いませんか?
料理を作る上で基本でもある調味料の塩ですが、塩によって味も成分も様々なのです。
今回は高い塩と安い塩の違いはなんなのか、どんな種類があるのかに焦点をあててまとめました。
知識があると料理の幅が広がりますし、塩選びが楽しくなるのでぜひ最後までご覧下さいね。
塩分の摂りすぎは良くない!?
塩分の摂りすぎは良くないのはもはや常識だというくらい根付いていますよね。
特に日本人の塩分摂取量は1956年以降減少し続けているもののまだまだ多いのが現状です。
塩分を摂りすぎると腎臓に負担がかかりますし、高血圧など様々な病気の引き金になると言われています。
スーパーで売っている安い「食卓塩」にはミネラルはほぼ含まれておらず塩化ナトリウムでできています。
この塩化ナトリウムを摂りすぎるとダメなのです。
しかし「天然塩」にはミネラルであるカルシウムやカリウム、マグネシウムが多く含まれています。
カルシウムやカリウムは体内のナトリウム(塩分)を排出してくれる役目があります。
ミネラルが豊富な塩は体に良く、血圧をあげません。
ちなみに色が付いている塩の方が体に良さそうな気もしますが(ピンク色の岩塩など)、ミネラルは無色透明な為関係ありません。
塩の種類
塩の種類は大きく分けて3種類です。
・海塩
・岩塩
・湖塩
塩に詳しくなくてもなんとなくどういったものか想像できますね。
詳しくみていきましょう。
海塩
日本で一番馴染み深いのが海塩です。
海の水から採れた塩で、ミネラルを多く含んでいます。
製法には天日塩や、煮詰める方法、イオン交換膜製塩法など様々な方法があります。
日本ではイオン交換膜製塩法が主な製法です。
岩塩
日本では採れません。
地殻変動で陸上に取り残された海水から長い年月をかけて作られた天然塩で「海の化石」とも呼ばれています。
水に溶けにくく、煮込み料理に使うのではなく、魚や肉等素材をシンプルに味わう時に活躍します。
意外ですが食用の岩塩にはほぼミネラルは含まれていません。
湖塩
こちらも日本には存在しません。
日本には淡水湖しかありませんが、塩水湖で採取された塩を湖塩と言います。
イスラエルの死海や、世界最大のカスピ海、ボリビアのウユニ湖が有名ですね。
精製塩(食塩)
精製塩は食塩のことです。
スーパーでよく売られている塩で安価で手に入ります。
なにも知識がなく選んでいる場合はほぼ精製塩でしょう。
精製の際にミネラル成分が取り除かれてしまうため、成分の99%以上が塩化ナトリウムです。
サラサラしているのが特長です。
再生塩(再生加工塩)
「食塩」や輸入した「自然海塩」などを溶かした後にゴミを取り除き、ニガリやミネラルを添加して再び結晶化したものです。
「自然塩」として売られていることもあります。
輸入塩
岩塩や湖塩などが輸入塩にあたるのですが、日本の塩の生産量はさほど多くなく、ほとんどを輸入に頼っています。
日本の塩だと思っていたら加工が日本なだけで、実は原材料は輸入塩ということもよくあります。
有名な「伯方の塩」がそれにあたります。
日本の塩だと思っていた方が多いのではないでしょうか。
自然塩(自然海塩/天然塩)
加熱処理などの人工的な手が加えられていないものを一般的に自然塩(しぜんえん)といいます。
ミネラルを多く含んでいる高級品です。
精製塩のようにサラサラしておらず、湿っているのが特徴です。
塩の知識
高い塩のメリット
高い塩のメリット
・高血圧予防
・うまみやこくがある
きちんと高い理由があるのですね。
もちろん商品によって成分は違うので確認してくださいね。
美味しさは何で決まる?
塩の代表成分である塩化ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムが主に含まれているミネラルです。
塩の旨みはミネラルの量で決まります。
甘み、酸味、苦味が複雑に合わさることで塩の個性が出ます。
逆にミネラルが全くない岩塩などはキリっとした塩味です。
減塩の塩って??
塩の成分である塩化ナトリウムを減らし、代わりに塩化カリウムによって塩味を出しているものもあります。
そのため、肝臓の悪い方や、カリウムの摂取制限を受けている方は避けないといけません。
メーカーによっては塩化ナトリウムを減らした分、硫酸マグネシウムなどを加えていることもあります。
減塩と聞くと体に良いイメージですが、塩化ナトリウムの比率を減らしているということですね。
よく見る市販塩の成分は?
スーパーでよく見る塩や人気のある塩のミネラル分一覧です。
100gあたり
カリウム | マグネシウム | カルシウム | |
---|---|---|---|
食卓塩 | 35mg | 0.13mg | 30mg |
南の極み | 14mg | 5mg | 39mg |
伯方の塩 | 10-150mg | 100-200mg | 50-200mg |
瀬戸のほんじお | 880mg | 300mg | 160mg |
アルペンザルツ | ✖ | 75mg | 400mg |
雪塩 | 859mg | 2810mg | 625mg |
個人的に意外だったのが「南の極み」です。
主婦やお料理をする方なら一度は見たことがあるのではないでしょうか。
パッケージもとても素敵ですよね。
しかし、99.7%が塩化ナトリウムなので日本の食卓塩となんら変わりはありません。
「雪塩」はスーパーなどでも取り扱っている為、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
モンドセレクション3年連続金賞を受賞したこともあり、ミネラルの含有量も群を抜いており、なんと18種類ものミネラルが検出されたようです。
塩の違いを知って
今はスーパーや百貨店、ネットでも様々な塩が手に入りますので、味や栄養、製法も様々なものを食べ比べても面白そうですね。
塩は毎日の料理に欠かせませんが、一度にたくさん使用するものではありません。
旨味がある天然塩を使うことによって少ない塩で満足でき、結果的に減塩に繋がることを考えれば、たまには高価な天然塩を試してみてもいいかもしれません。